頭をフル回転させたい大事な場面、例えばテスト前やプレゼンテーション前に、どんな準備をしますか？
深呼吸をしたり、目を閉じて心を落ち着かせたり、エナジードリンクを飲んでみたり。
人それぞれルーティーンを持っているかと思います。
水を飲むだけでも脳のパフォーマンスが高まるという研究を紹介します。
たった1-2%の水分が身体から失われるだけで、認知機能が低下する
The present investigation was designed to assess the effects of mild dehydration, between 1 and 2% body water loss, on cognitive performance and mood of healthy young males. Few studies have evaluated the effects of such mild dehydration in either men or women.
British Journal of Nutrition (2011), 106, 1535–1543
私たちの身体のおよそ60-80%は水分で出来ていると言われています。
体重50kgなら水分は30-40kg、うち1%（3-400mL）が失われるだけで、脳のパフォーマンスが低下する可能性があります。
人は平均して1時間あたり約100mLほど水分を失っているそうなので、3,4時間水分補給しないだけでリスクがあります。特に室内だと、ちょっと作業に没頭しているうちに、水分補給を忘れてしまうこともありますよね。そんな時に、実はプチ脱水（論文ではmild dehydrationと記載）になっている可能性があるようです。
水分補給で、脳のパフォーマンスは上がる
水分補給を忘れているとプチ脱水になってパフォーマンスが落ちる可能性があることは分かりましたが、逆にしっかり水分補給すればどんなメリットがあるのでしょうか。
2013年にイースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究者たちが発表した論文によると、知的作業に取りかかる前に500mLの水を飲むと、効率がアップするという結果が得られたそうです。
特にノドの渇きを感じている人の方が、より効果がはっきり見られたそうです。
水を飲むだけでこれだけ効果が見られたのには驚きです。
とはいえテスト前やプレゼン前にいっきに500mLも水を飲むのは、あまり現実的ではないかもしれません。お腹がチャポチャポになってしまったり、お手洗いが近くなってしまう心配があります。
どの位水を飲めば、脳のパフォーマンスは上がるのか
同じイースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究チームから、2017年に新たな論文が発表されていました。
96人の大学生を対象に、「どの位の量の水を飲むと、認知機能が上がるか」を比較検証しています。
- 水を300mL飲んだ場合
- 水を25mL飲んだ場合
- 何も飲まなかった場合
結果は、300mL飲んだ場合も、25mL飲んだ場合も認知機能テストの成績が良かったそうです。
25mLの水を飲むだけで脳のパフォーマンスがアップするなら魅力的ですよね。
研究では水を飲んだ20分後にテストを受けていたそうなので、例えば30分おきに25mL飲めばずーっと高いパフォーマンスを維持できる可能性があります。500mLのペットボトルの水を買えば、10時間キープできる計算です。十分ですね（笑）
ちなみにこの研究で使われた認知機能テストは、こんな風によく似たアルファベットが400個並んでいる中から、速く正確に”U”だけを選ぶというテストだそうです。確かに結構アタマ使いそう・・・
OOVOOOOUCCOCOCVVOOOV
UOOUOOCCOOOOVUOOCOOV
・・・
まとめ
夏の熱中症対策だけでなく、季節やシーンを問わず水分補給は重要なようです。
最近では今回紹介させて頂いたようなmild dehydration （軽い脱水症状）に関する研究も進んでいるそうです。
人生100年時代、自分の身体やコンディション維持についても、しっかり勉強して投資していこうと思います。まずは手っ取り早く脳のパフォーマンスを高めるに、30分おき位に25mLのミネラルウォーターを飲みたいと思います。
水をこまめに飲む以外にも、集中力を高める習慣についてこちらの記事にまとめています。
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